妙高市のミスト農法〜視察報告

株式会社が農業に参入

昨年の法改正で、構造改革特区以外でも株式会社の農業参入が認められるようになり、全国で初めての取り組みが妙高ガーデン(妙高市)で行われました。妙高ガーデンは、妙高市から借りた遊休農地を利用し、ハウスで大葉やハーブを無農薬で栽培しています。

大葉は、農薬を大量に使う野菜の一つとされ、残留農薬ワースト3(大葉、パセリ、セロリ)にも数えられています。そこで、農薬を一切使わないミスト農法が開発され、大量に生産可能になりました。
ミスト農法とは、有機堆肥を敷き詰めたパレット底部のメッシュを通して棚下の密閉空間に繁茂します。そこへ完熟、無臭の有機液肥をミスト化し、根に噴霧する方法で、日本古来の循環型農業の土作り、苗作りを新しい技術で可能にしています。

国は、中山間地の振興を目的とした「元気な地域づくり交付金」として3億円を助成しており、同社が建設する12棟のハウスや周辺施設が対象となるそうです。視察した時は、いくつかのハウスが建設中でしたが、2棟でハーブが栽培され秋には大手メーカーから発売の予定です。

この事業は、はじめ市長の発案で進められたそうですが、担当所管では初めての試みで、どうなることか、とても不安だったと職員の方が率直に話してくれました。しかし、地元から100人規模の雇用が期待できる上に、全国から問い合わせや視察があり、いまや、まちの活性化につながるのではと期待も大きいようです。農業に従事する人たちが高齢化し、その平均年齢は70歳、どこも後継者不足の問題があり、もっと若い人達が地域で農業に従事出来るような環境をつくるためにも、この事業は画期的な取り組みになるのではないかと思います。