産前・産後の切れ目のない子育て支援策

産後ケアセンターを視察して(世田谷区)

世田谷区桜新町にある産後ケアセンターは、日本ではじめての施設です。
今年の春にオープン、半年が過ぎていますが、いつも宿泊できる部屋は満杯の状態です。
ここは、「武蔵野大学付属産後ケアセンター桜新町」として、武蔵大学が運営し、世田谷区の委託事業と自主事業を行っています。24時間体制で助産師をはじめとする専門スタッフのケアを受け、いわば「実家の機能」を果たすとともに、専門家によるカウンセリングなどで、育児不安の早期解消に効果をあげています。

世田谷区では、産前・産後の支援策として、「さんさんサポート事業」「産後ケア事業」をいち早くスタートさせ、産前1ヶ月から産後6ヶ月の間、子育て支援策としてヘルパーが訪問する「さんさんサポート事業」は、家事、育児援助など2時間3回まで無料で提供するしくみで、利用者は増えています。
訪問時には、利用者アンケートを行い、より早い段階で育児不安や育児ストレスを発見し、保育士や保健師に相談をつなぐなど、虐待予防にもつながっています。

「産後ケアセンター」は、3ヶ月までの母子を対象に、母体ケア、育児相談、指導などを行い、宿泊、デイケアを行っています。
2階の部屋7床を世田谷区の委託事業として確保し、通常であれば1泊28000円かかるところを、都の子育て応援支援事業を活用して、利用者は1割負担で施設を利用することが出来るようになっています。

これまで、子育て支援策は、保育園や子育て広場などの整備、相談事業など力点が置かれ、産前産後の支援体制については、まだまだこれからの課題になっています。世田谷区は、子ども条例、子ども計画を早くから策定し、「切れ目のない子育て支援策」に着目したところは評価される点ではないでしょうか。この都の「子育て応援支援事業」は、3年で見直されることになっていますが、ぜひ、これまでの取り組みを検証し、今後も継続して、他の地域でも取り組んでいけるよう、都へ要望していきたいと思います。