「誰もが働ける環境整備へ」

京王線「聖蹟桜ヶ丘」駅より、車で5分ぐらいの所に、「東電ハミングワーク株式会社」があります。ここは、東京電力株式会社が100%出資した特例子会社で、障がい者の雇用を進めるためにつくられました。
仕事の内容は、印刷、清掃、園芸などの事業に加えて、東京電力の社長、会長を歴任された故平岩外四氏が個人で所有していた蔵書を管理する平岩文庫管理業務も行っています。ここでは、障がいをもった人と、健常者が一緒になってお互いを育て、ともに生きがいを感じ、成果・努力を共有する会社を目指しており、視察した日も楽しそうに障がい者の人達が働いていました。
これまで身体障害者の雇用は取り組まれていても、知的、精神などの障害を持つ人の就労は数が少なく、その働き方や収入も安定していない状況があり、雇用の場もあまり広がりませんでしたが、「東電ハミングワーク」では、知的障がい、身体障がい、精神障がいの人達を受け入れており、正社員への登用率も80%以上と、とても手厚い待遇になっているのは、素晴らしいと思いました。

都内の民間企業の雇用障害者数は、90,192人、障害者実雇用率も1.56%となり、大企業が牽引役となって7年連続して上昇しています。
特に、1,000人以上規模の企業では、1.81%と初めて法定雇用率を超えていますが、中小企業では、依然として厳しい状況が続いており、全体として、雇用率達成企業は全体の3割に留まっています。全国に比べると低い状況で、多くの企業が集まっている東京にしては、残念な感じがします。
今後も、障害者が地域で安心して暮らし、あたり前に働ける社会を目指し、都が区市町村や企業、福祉施設との連携により、支援策を進めていく必要があります。