食肉の生食による食中毒防止にむけて

富山県などで発生した、腸管出血性大腸菌による食中毒事件で、子ども等を含む4人が死亡し、多くの重症者がでました。
この事件後、厚生労働省は各都道府県知事等に、「生食用食肉を取り扱う施設に対する緊急監視の実施について」通知しています。都では、5月6日から5月31日まで、飲食店営業、食肉処理業、食肉販売業等の営業施設のうち、生食用食肉を取り扱っている営業施設について、衛生基準への適合性を調べ、適合しない場合は、生食用食肉の取り扱いを中止させ、改善指導を行っています。この内容については、来月以降報告されることになっています。

これまで、とりわさ、レバ刺し、ユッケなどの生肉料理や、焼肉、バーベキューなどで加熱不足の肉を食べたことが原因と考えられる食中毒が、都内で発生しています。また、東京都が実施したアンケートによると、20代、30代は食肉を生で食べている割合が、他の世代に比べて高く、食中毒になる人も多いことから、昨年都では、若い世代をターゲットに食肉の生食の危険を訴えるコマーシャルを作成し、映画館、電車等で放映し、都民に広くアピールしています。
さらに、「子どもが生肉を食べると特に危険です」という、リーフレットも作成しています。抵抗力の弱い子どもの場合、食中毒症状が重症化しやすく、後遺症がでることもあり、「子どもに肉を生で食べさせてはいけない」ことを、子どもの保護者や事業者向けなどに、約37万部配布し、呼びかけていました。

今回の事件の原因究明は、まだされていませんが、生食用の食肉に関する基準をきちんと設けていく必要があります。