地域防災計画に女性や子どもの視点を

防災対策特別委員会の質疑から

東日本大震災では、避難所生活が長期化する中で、被災者の方々は大変苦労されました。とりわけ、高齢者や乳幼児を抱えた母親、病人、障がい者、外国人など、困難な状況に置かれやすい人々が、避難所生活など不自由を強いられました。

地震発生後の5日目の3月16日には、内閣府の男女共同参画局から、女性や子育て家庭にとって、被災地での避難生活を少しでも安全・安心なものにし、被災者の肉体的・精神的負担を緩和するため、通達が出されています。
その通達には、各避難所の運営体制への女性参画、女性医師、保健師による相談サービスの提供、乳幼児への対応やトイレなどの安全な環境整備など、詳細に書かれています。しかし、現場では、この通達を聞いても、受入れるだけの余裕がなく、実際に支援にあたったNPOから配慮するように呼びかけても、避難所の運営にあたっている人たちからは、断られる場面が多かったと聞いています。そこで、都で首都直下型地震が起こった際に、こうした事態を再び繰り返さないよう、防災対策を推進していかなければなりません。

都は、避難所運営も含めて、女性の視点に立った防災対策を推進するため、東日本大震災において、女性の避難所運営生活を支援した経験を有する専門家を招き、避難所の設置等を担う、区市町村等の防災機関との間で、意見交換会を開催しました。この会では、専門家から、避難所運営における女性リーダーの重要性などを説明してもらい、参加した防災機関の方々は、有意義だったということでした。
こうした意見交換の内容も踏まえ、今回の防災対策特別委員会では、地域防災計画について、生活者ネットワーク・みらいが、これまで何回も質疑で取り上げたことが盛り込まれ、地域防災計画の修正に取り組んでいくことを確認しました。

震災の教訓を、いつ起こるか分からない首都直下型地震に対応した防災対策に活かしていけるようにしていきたいと思います。

世田谷・生活者ネットワークでは、「誰もが大切にされる防災計画をつくろう!」と題して、6月23日(土)14:00〜16:00に、経堂地区会館別館にて、災害対策提言発表集会を開催いたします。皆さまのご参加をお待ちしております。