いじめ問題をどのように解決するのか?

先週開かれた「第12回子どもの権利条例東京市民フォーラム」では、いじめの問題解決にむけた取り組みについて報告されました。

 今年の7月、大津市の中学生の自殺が、自殺の練習といういじめによって引き起こされたのではないかという、ショッキングなニュースから、いじめの問題が噴出しました。この事件をうけて、この夏、東京都教育委員会がいじめ緊急調査を行い、いじめやいじめが疑われる件数は、1万1千件以上に上り、子どもの取り巻く状況がとても深刻であることに、改めて驚かされました。

 東京都では、平成10年「子どもの権利擁護委員会」が設置され、同年11月から、第三者的機関による子どもの権利擁護のための活動が試行的にスタートし、その後、約5年間の試行期間を経て、平成16年度からは、「子どもの権利擁護専門相談事業」として実施されてきました。

また、「話してみなよ東京子供ネット」は、子ども自身からの訴えを受け止めるほか、家族や近隣の方からの相談にも対応し、常に子どもの立場に立って、相談に応じています。子ども自身が、自分の体験や意見を自由に吹き込めるメッセージダイヤルを設置しており、子どもたちは、メッセージダイヤルに電話し、メッセージを録音することができるほか、他の子どもたちからのメッセージを編集したものを数分聴くことができます。平成23年度は、子ども自身が、携帯電話からもフリーダイヤルでかけられることから、年間2000件もありました。

多くの子どもたちが救われるよう、これまで都議会生活者ネットワーク・みらいは、子どもの権利擁護事業の充実を要望してきました。今回のシンポジウムでは、専門委員の池田弁護士からその取り組みについて報告がありましたが、中立的な立場で話を聞くことで、保護者や学校側も安心して相談できると話していました。
「子どもがいじめにあっていると、SOSを発信することもできないくらい体力を消耗してしまう。逃げる権利を保障して欲しい。」と、会場からの発言があり、そんな深刻な状況を地域の中で早期に発見していくためにも、2重、3重の救済策を作っていく必要があります。

 世田谷区でも、子ども条例が改正され、来年7月から、子どもの人権擁護機関がスタートします。
今後も、東京都と地域の自治体との連携を強化し、いじめの問題を解決できるよう働きかけていきます。