電力を選ぶことは未来を選ぶこと

3月2日、昭和女子大グリーンホールで、電力自由化についてのシンポジウムが行われました。
主催は、「世田谷発 電力を選べる社会へ」フォーラム実行委員会ですが、東京の生活協同組合が中心になって働きかけています。
この日の基調講演は、環境ジャーナリストの枝廣淳子さん。アル・ゴア氏著書「不都合な真実」の翻訳もなさっている方です。

 国では、電力システムの改革が示され、これまで料金規制と地域独占によって実現しようしてきた「安定的な電力供給」を、国民に開かれた電力システムの下で、事業者や需要家の「選択」や「競争」を通じた創意工夫によって実現していくことが求められています。
「今後の電力会社は、電力生産には携わらず、主に産業電力を扱っていくようになるのでは」と、枝廣さんは話しています。そのためには、電力システムの改革、技術、電力市場の自由化、発送電分離、広域連携の拡大が必要です。例えば、世田谷と姉妹都市交流を行っている川場村に、小水力発電、バイオマス発電など、地域間連携で行うこともひとつの方法です。

「大切なのは『幸せ』・・・経済は、人々の幸せのためにある。幸せにつながる経済成長は応援していこう。」という考え方に立ち、将来の電力を消費者が選んでいける社会を実現することが大切です。そんなメッセージを枝廣さんの講演から受け取り、生活者ネットワークの政策とも一致し、うれしくなりました。

 スウェーデンやドイツでは、すでに電力の自由化が進み、現実に消費者が電力を選択できるようになっています。原発はいやだ!グリーン電力がいい!と思う人は、その電力を選択できるようになっており、明細にも示されます。
東京都生活協同組合連合会が最近行ったアンケートによれば、電力会社を自由に選んで電気を購入できる制度になった場合、東京電力と同じ価格ならば利用する、あるいは安い価格なら利用すると答えた人は、2,000人のうち800人ぐらいおり、再生可能エネルギーによる電力であれば、多少高くでもかまわないと答えた人も900人以上います。すでに、独自にバイオマス発電や風力発電に取り組んでいる生協もあります。

 「電力を選ぶことは未来を選ぶこと」持続可能な環境や社会をつくるためにも、消費者が電力を選べる社会を一日も早く実現できるよう、働きかけていきます。