オランダの教育に学ぶ

東京都の教育委員に、作家の乙武洋匡さんが任命されました。
乙武さんは、「マイノリティとしての36年間の経験を子どもたちに生かしたい。教員の経験、2児の父親としての視点をもとに、自分なりの役割を考えたい。」と語っています(朝日新聞3月9日)。
乙武さんは、早稲田大学在学中に「五体不満足」を出版し、ベストセラーになりました。2007年から3年間、杉並区の小学校教員を務めた経験もあります。
子どもの気持ちに寄り添った、都の教育委員会の改革を期待したいと思います。

 いじめや体罰など、子どもの権利侵害の事件が続く中、子どもたちを取り巻く環境を改善していくために、大人である私たちがしなければならないことは、何なのでしょうか。それは、「子どもの人権を守り、一人ひとりを尊重できる社会をつくること。」だと思います。

 2年前、都議会生活者ネットワークの調査で、大田区議の奈須りえさんらとともに、オランダに視察に出かけた時に、リヒテルズ直子さんに通訳、案内をお願いし、オランダの教育現場を学習してきました。
オランダでは、文部省が一定の基準を設けていますが、日本の学習指導要領に当たる細かな指導はなく、教科書検定もありません。教育内容は学校独自で決定する自由があり、学校や先生の裁量権が大きく、教育の自由が保障されています。教育水準を担保するしくみとして、保護者や子どもが学校を選択でき、学校運営に参加することができます。
また、特別支援教育は、「もう一度一緒に普通学級へ」として、1996年からインクルーシブ教育として進められ、2003年からは、個別補助金制度(リュックサック政策)を導入しました。国が子どもの障がいの種別や程度を判定し、補助金を決定し、親子が選んだ学校に予算をつけ、その予算で介助員をつけたり環境整備をしています。

 オランダの子どもたちは、幸福度世界一と言われています。その根底にある自由な教育について、世田谷・生活者ネットワークは、オランダ在住のリヒテルズ直子さんをお招きし、保坂区長を交えて、皆さんで意見交換を行いたいと思います。ぜひ、ご参加下さい。