「精神障害者の地域移行支援を進めるために」

  ~平成25年度公営企業会計決算審議から~

公営企業会計決算委員会の質疑

 第3回定例会で、山内れい子議員が、都立松沢病院における患者の地域移行支援について質問に取り上げました。その質疑の中で、退院にむけた生活相談や退院後の定期的な訪問看護、様々なプログラムによるディケアの実施など、松沢病院が患者の社会復帰と地域での生活支援に取り組んでいることを確認しました。そこで、平成25年度の具体的な取組みについて聞きました。

 (答弁)

松沢病院は、一般の精神病院では対応が困難な急性期医療や専門性の高い精神疾患医療を提供するとともに、急性期を脱した患者が、地域に円滑に移行できるよう支援している。平成25年度の入院患者に対する退院援助等の相談実績は、62.901件訪問看護は4,961件、ディケアは、延べ利用数が24、542人

これらの取組みによって、平成25年度は、1年以上入院している患者が、前年から約10%減少して211人、平均在院日数も前年度から6.9日減少している。

 

長期入院していると生活力を失い、病院生活へ依存し地域生活への復帰をあきらめてしまうケースもあると聞きました。今後も長期入院患者の退院を促進し、地域生活に定着できるようしっかりと取り組むよう要望しました。

 

決算委員会の様子

都立松沢病院は、認知症疾患医療センターに指定されており、今後認知症患者の増加が見込まれる中で、その役割は大変重要になってきます。

松沢病院では、認知症患者の早期診断、早期治療を行うため、「もの忘れ外来」での診療や検査による鑑別診療を実施するとともに、暴力・幻覚など行動症状のある患者や身体合併症をもつ患者に急性期の入院医療を実施しています。

また、世田谷区における地域連携も必要です。地区医師会、地域包括センター、区の所管部等が参加する連携協議会を定期的に開催するなど、連携強化に取り組んでいることがわかりました。今後も松沢病院が、「認知症疾患医療センター」として、十分に役割を果たしていくよう要望しました。