「子ども中心主義」

~東京育成園を視察して~

 

世田谷区にある児童養護施設「東京育成園」は、明治29年東北三陸地方大津波の被害地に遺された26名の孤児たちを救済するために始められました。長い歴史があり、この園の事業の理念は、聖書のことばを土台に「児童権利条約」「児童福祉法」「児童憲章」の理念を踏まえ、「子ども中心主義」と言う言葉で表しています。

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つまり、子どもの幸せのために、子どもの想いや言葉に出来ない願いを受け止め、事業が「子どもの最善の利益」であることに努め、子どもと家族の幸せが実現できるように取り組んでいます。

 

視察した当日は、千葉理事長からその理念が大切だと伺いました。園内も歩きながら見せていただきましたが、実に素晴らしいところです。ここの敷地内には、家庭的な建物があり、そこでは、子ども達が職員とともに生活をしています。また、保育園、幼稚園も併設されているので、地域のお子さんや保護者たちも出入りし、一緒になって広場で遊んだりすることも出来ます。養護施設の子どもを特別に隔離していくのではなく、「学校の友達も連れてこられる、子どもが自慢できる施設にしたかった」と理事長はお話していました。そのお話通り、素敵な空間が、世界が広がっています。

四季折々の花々が咲き乱れ、ウッドデッキでは、ここで飼われているわんちゃんが、気持ちよさそうにお昼寝し、のどかでゆとりのある雰囲気です。

 

子どもは、どんなに傷つけられても親の元に返りたいと願っているはず。虐待をしてしまって、子どもと一緒に住めない親に対しても支援を続けています。また、障害がある子どもや外国籍の子どもたちも受け入れ、海外の貧しい子どもの支援が広がるようにインターン(アジアの外国人)も育てています。

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「これからの社会福祉法人は、地域にどれだけ存在意義があるのかが問われている」千葉理事長の言葉です。地域に開かれた「子ども園」・・・地域にこのような取組が今後も広がっていけるよう、都や区が支援していく必要があると思います。