「市民が自治するまちにむけて」

先日、東京・生活者ネットワーク主催の「新春のつどい」が開かれました。
講演会には、内山節(たかし)さんをお呼びして、「政治の否定、政治の創造・・現代政治のかかわり方」についてお話がありました。
内山さんは、東京と群馬県上野村の往復生活を続けながら1年の3分の1ぐらいは上野村で畑仕事をしたり、村人と交流しながら、自然と人間や技術と労働のあり方から近代的志向を克服する思想の創造をめざしてきています。
「農村文化運動」の雑誌の中で「むらの思想と地域自治」についてこう書いています。
「地方分権といいながらその受けてである県とか市町村が本物の自治体ではない。行政でしかない。・・・もう少し自治体に権限を与えて下さい。ということがよく言われるけれど、最終的な視点は行政の権限ではなくて、人々が自治する場所という意味での自治体の権限に戻さなければいけない。自治体の一番小さい単位は集落で、ここが自分達の自治体なんだということから始まる。」
そんな文節が私の心をひきつけました。
農村は、これまで地域で助け合い、協力してきた歴史があり高齢化が進んでもコミュニティは残るが、問題は都市部だとも言われてきました。
「都市の中に自分たちの村をつくっていくことは果たして可能なのか」と内山さんは問いかけています。都会の中にいて変えることはできないが、農村が都市のまわりを包んでいて、そこと交流しながら生きていく地域があって、はじめて市民が自治するまちがつくれるのだと・・・・

これまで議員として、日本の各地を視察してきました。産業廃棄物の処理をめぐって立ち上がった豊島の住民協議会の人達、阪神淡路大震災後のまちの復興をめざして活動を進めた神戸の真野地区、四国の内子町の町並みや農村の保存のためがんばっている行政マンと町民の人達など印象に残るところは数多くあり、ここから学ぶことも沢山あると思います。市民が主体になってつくれるまちづくりをめざして、私達生活者ネットワークの活動を進めていきたいです。