「市民事業体によるイギリスのまちづくり」

生活者ネット都議団視察報告 その2

ロンドン市の中心部から公園や高級住宅街などを抜けて、北の方へ行く高速道路(ウエストウエイ)の下を活用してつくられたコミュニティは、ウエストウエイまちづくり事業体によってつくられました。事業がはじまったのは、40年ほど前、使われていなかった施設(高架下)を活用するという革新的な取組みでした。この周辺は、低所得者が多く、放置すれば町を分断する殺風景な場所になりがちな高速道路下をコミュニティの共有空間として活用しています。視察当日は、事務局長のベイリーさんが、スポーツクラブや小さなショップや子ども達のスケートボードの遊び場を案内してくれました。

土地は、125年のリースでロンドン市から借りており、自治体は立ち上げから10年間は毎年2万ポンドを出し、運営はまちづくり事業体に任されました。事業体は、はじめにコミュニティのためのオフィスをつくり、次に収入源になる事業として商業施設からの賃料収入を確保し、地域の青少年のためには、スポーツセンターを開いて安く利用できるようにするとともに、雇用も生みだしています。現在、450のトラストがイギリスでは活動していますが、まちづくり事業体は、社会的還元の理念を持って、事業として利益を出し、再投資して次のものへと変えていっています。

週末には、フリーマーケットが開かれ、かなりの賑わいもあるまちづくり、市民事業体の手で行われてきたその手法を、今後参考にしたいと思います。