「多様な教育の保障を進めているオランダの教育」

〜生活者ネット都議団視察報告 その3〜

オランダでは、1960年代初めまでは日本と同じような画一的な教育が行われていました。しかし、1960年代後半教育改革によって、個別教育へと変わって行き、70年以降に、すでにオランダにあったイエナプラン、モンテッソーリ、ダルトンといった独自の教育理念、教育方法をもつオルタナティブ・スクールが一気に増加し、現在では多様な学校教育が行われています。
国は、公私立の別なく、学校に均等に教育補助金を支払うので、親は教育の負担を気にすることなく、子どもが小学校に上がる4歳の誕生日が近づくと学校選びを始め、子どもにとって最善の学校を選ぶことができます。
近くに満足のいく学校がなければ、遠隔地の学校を選べば、国は通学のための資金助成をしてくれます。また、学校は、教育理念、教材選択、学級編成、時間割等多くの展で高い自由裁量権をもっており、「教育の自由」「学校選択の自由」が保障されていると言えます。

障害をもつ子どもには、オランダでは、2003年から個別生徒補助金制度(通称リュックサック政策)を導入、子どもの障害によって補助金を支給、それをリックサックに入れて子ども、保護者が自由に選んだ学校にもっていく事ができます。ダウン症や弱視の子、車椅子を使わなければ生活できない難病の子など、皆普通クラスの中で他の子ども達に交じって勉強しています。
学校は、すべての子どもの発達を定期的にモニターし、記録しなければならず特別のニーズを持つ子の支援は、各学校に設置された特別支援教師と担任教師とで話合い、一定期間ごとの到達目標を設定して行われます。視察した小学校でも障害をもったお子さんが普通学級で楽しく学んでおり、オランダの個別教育から学ぶものは、多くあると感じました。