3大区長大いに語る

12月3日土曜日の夜、江戸川、杉並、世田谷区長を招いて、「高齢者福祉と自治体行政」についてのシンポジウムが開かれました。主催は、NPO高齢社会をよくする女性の会、理事長は樋口恵子さんです。

江戸川区長は、4期目の多田正見さん。ベテラン区長だけあって、23区区長会の会長も務めた経験があり、これまで取り組んできたことや、国や都との制度改革や分権にも触れながら、高齢者福祉や災害対策について語っていました。
杉並区長の田中良さんは、昨年の夏、区長に就任。それまでは、都議会議員として都議会議長まで経験した経歴を持つ方ですが、区長に就任した途端に、100歳以上のお年寄りの身元がわからないという事件が発生し、衝撃を受けたと話していました。その事件以降、職員が100歳以上のお年寄りがいる家庭を訪問し、安否確認を行ったそうです。
世田谷区長は、この春に就任した保坂展人さん。これまでは、国会議員として活躍してきましたが、世田谷の3代目の区長として期待されているところです。
3月11日の震災以降、南相馬市を訪れ、被災地支援や福島の原発事故の問題など、いち早く対応しています。また、世田谷では、ひとり暮らしの高齢者が増加していますが、空き家などを寄付される人もおり、その場所を活用し、地域での支え合いを行える住民参加型福祉を進めています。

この日のシンポジウムは、それぞれの区長から、子ども、高齢者などの福祉の取り組みが紹介されましたが、自治体から広がる安心社会を構築するには、地域が重要だと改めて思い知らされました。

そして、「地域の顔となる首長こそ、これからは、より選ばれた人が、就任していかなければならない」と、3人の区長の話を聞いて強く実感しました。
ただ、女性の区長がいなかったのは残念です。