環境保全と両立するオリンピックの開催が必要ではないですか!

葛西臨海公園を野鳥の会の皆さんに案内していただき、視察しました。その目的は、この公園の中に、2020年オリンピックのため新設のカヌー会場が計画されているため、その場所がどのような環境なのか調べるためです。
予定されている場所は、公園の西側、およそ公園の3分の1にあたる面積で、カヌー(スラローム)競技を行えるよう、水の流れをつくるプールや競技を観戦するための1万5千人(仮設3千人)スタンドが建設されます。

実際に、この計画に当たる場所を歩いてみると、オナガ、ムクドリ、ヒヨドリなどの姿を見ることができ、近くの池では、トンボや蛙も生息しており、豊かな自然環境に驚きます。
夏休みの終わりには、子どもたちが生き物に触れる観察会が行われていますが、昆虫や自然の生き物と触れ合える機会として、大人気です。

 
この公園は1989年に開園し、豊かな生態系が育ってきました。バベキュー公園の中には、大きなエノキがそびえ立ち、頑丈な根っこを周辺に張りめぐらしています。しかし、オリンピックの計画では、このシンボルとなっている木も伐採されてしまいます。ちなみに、会場予定地の公園西側だけでも、76種類の野鳥や140種類の昆虫などが生息し、東京23区で絶滅危惧種に指定されている生物も26種類確認されています。いくらオリンピックのためと言っても、多くの都民から愛されているこの環境を破壊して、スラローム会場を設置することに理解を得られるとは思えません。

 野鳥の会の飯田さん(事務局長)は、「近くの埋立地など、環境への影響が少ない場所にしてはどうか」と、この豊かな自然を壊さないために、会場の変更を求めています。
これまで、北京やロンドン大会でも一部計画段階の会場が変更になったこともありました。今後この環境を保全するため、東京都も計画変更を含めて検討する必要があるのではないか、と現地を案内してもらい感じました。