空き家の活用を!

 ~決算委員会都市整備質問報告から~

 近年、東京都内でも空き家の問題が顕在化し、将来、東京の居住環境の悪化や防災機能の低下が懸念されることから、有効な対策が求められています。

これまで生活者ネットワークは、「空き家」を活用して、地域の高齢者や子どもなど、多世代の交流の場や住まいなどに転換できるような政策実現を目指してきました。
現在、各自治体では条例を制定し、放置された空き家の管理および撤去について定めています。しかし、空き家を不用なものとせず、地域にある資源ととらえて活用することが重要ではないでしょうか!

 都は、昨年、空き家のモデル事業を行いました。それは、国の事業の補助を受けて改修工事を行うもののうち、木造住宅密集地域内の従前移住者の移転先、または高齢者のグループリビング用として活用するものに対して、都が補助金を加算する事業です。しかし、都民や事業者から相談があったものの、結果的に応募には至りませんでした。そこで、今年度は、募集の時期を早め、耐震改修工事を行う場合の補助限度額を引き上げ、新たに戸建て住宅の多世代同居、子育て世帯向け用の改修工事等を補助対象にしました。

今年度こそ、空き家を活用してモデル事業の事例ができるよう、都もPRしてもらいたいと思います。
これまで、地域で空き家活用に至らなかったのは、古いものが多いため、活用したくても耐震性の点で問題があったり、また、グループリビングをつくる場合、都の助成はハード事業だが、ソフトの面も重要であり、運営事業者と物件とのマッチングがうまくいかなかったなどで、このマッチングをどう進めていくのかも課題です。

都は、都営住宅を増やさない方針をとっていますが、希望者は多く、入居できない方もおり、今後はこのモデル事業をきっかけに、都民の住宅確保につながるよう、住宅ストックとしての空き家活用へ広げることを要望しました。