「年々増えている社会的養護が必要な子ども達」

近年、子どもの虐待相談件数は急増しており、都内の児童相談所における平成19年度の虐待相談件数は、3307件で、これは虐待相談件数を開始した平成2年度と比較すると25倍になっています。
子どもの虐待の早期発見、早期対応が進む中で、親元から離れて施設に入所する子どもの数も増え続けています。
今回、児童福祉法の一部が改正され、社会的養護に関連する部分も大きく変更されました。養子縁組を目的としない「養育里親」と養子縁組を目的とする「養子縁組里親」を区別し、制度的な位置づけを明確にし、今後も多くの児童が家庭的な環境の下で養育されるよう推進を図っていく必要があります。

第4回定例会では、生活者ネットワークの一般質問でこの事を取り上げました。
虐待を受け児童養護施設等で育った子どもは、施設等を退所し自立するに当たっても、保護者の支援を受けられず、人間関係や社会生活に悩んだ時に適切な助言や支援を受けられず、就労が続かないなど様々な困難に突き当たることが多いと聞いています。こうした児童を支援するため、平成10年から児童自立生活援助事業(自立ホーム)が法制度化されました。
今回の法改正では、18歳未満から20歳未満への対象年齢が引き上げられ、運営費について補助金支出から義務的支出とし、全都道府県での実施を義務化しています。東京は、18ヶ所のホームを設置し、今後はさらに運営充実にむけて
支援していくと答弁がありました。他に来年度の予算では、激しい暴力や暴言を振るう子どもや集団生活に不適応を起こしている子どもなど、特に状態が重篤化している子ども達に対して新たな施設整備を行っていく予定です。
しかし、まだまだ充分な状況にないことには変わりありません。引き続き生活者ネットワークは、要望してまいります。