琵琶湖は、日本最大の湖であるだけでなく、400万年の歴史をもっており、琵琶湖が今の形になってからでも40万年ぐらいは経過しています。
また、50種類もの固有魚介類を育み、琵琶湖は「日本のガラバコス」と言える湖だそうです。その歴史については、先日視察の最後に立ち寄った琵琶湖博物館に琵琶湖周辺の環境や人々の生活の歴史が展示されています。
しかし、1974年に彦根市の琵琶湖岸で初めてオオクチバス(ブラックバス)が見つかり、その後わずか10年ほどでオオクチバスは琵琶湖全域と拡大し、その影響で在来魚や海老類は減少の一途をたどりました。
さらに、1990年頃からは南湖を中心にブルーギルが著しく増加し、今や外来魚に独占された湖に変ってしまいました。
滋賀県では、「琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」を制定し、外来魚のリリース禁止措置を盛り込み、外来魚駆除のため2億円の予算をつけて対策をとっています。また、ノーリリースを広報啓発するとともに、「ノーリリースありがとう券事業」を始めています。これは、外来魚500グラムごとに1枚協力店にもってきてもらえば50円相当の商品とサービスに交換、ひとつの地域通貨です。この3年間で12700件の持ち込みで10万7500枚を発行、56万トンの外来魚を回収しています。
琵琶湖の環境を守っていくことは、滋賀県だけの問題ではなく日本全体で考えていかなければ出来ないことだとシンポジウムの最後に嘉田知事は訴えていました。次の世代の子ども達に美しい環境を手渡すためにも、私達が真剣に取組んでいかなければならない問題はたくさんあると思います。