「いま問われる分権時代の議会の役割」

7月29日、30日と2日間に渡って、市民と議員の条例作り交流会議2006が開かれました。この会は今年で6回目、市民自治をめざして議会は何かできるのか活発な意見交換が交わされました。
1日目の話の中で印象に残ったのは、北海道栗山町から見えた橋場議長のお話です。栗山町は、人口14500人、議員は18人、何年間にかけて議会改革を行ってきていますが、この度全国に先駆けて「議会基本条例」を制定し、注目されています。この条例の特徴はいくつかありますが、中でも反問権と自由討議を盛り込んでいる点については、会場でも質問が集中しました。
反問権とは、執行側から議員に質問が出来る事で、論点がはっきりしない時に反問権を与える事によって住民にも分かりやすくする事が出来ます。
もうひとつの自由討議とは、原案に賛成反対だけなく、調査をして町民の意見(参考人)を聴き、時間をかけて自由討議し、そのプロセスを町民に公開し、議会が出した結果を十分理解してもらうためのものです。
また、年1回議員全員による議会報告会を実施しており、町民の関心が議会にむくように様々な工夫をしている点は、素晴らしいと思いました。

2日目は分科会ごとに分かれ私は「予算をめぐる長と議会の関係」の分科会に参加しました。ここでは、632億円の債務で破綻した夕張市の現状について報告がありました。夕張市は新聞報道でされているように市の財政規模の約14倍と莫大な借金があります。市の財政は実質的にはすでに相当前から破綻をきたしていたようですが、それを先延ばしにしてきたのが一時借入金です。
観光事業等特別会計を補填するために、一時借入金を貸付金として特別会計に貸し付け、特別会計はこの返済資金を翌年度の貸付金を使って返済するという自転車操業を繰り返してきました。市の責任はもちろんですが、この予算をチックしていた議会は、これを見抜けなかったのでしょうか。
「議会不要論」が市民から出てくる背景には、議会がその役割を果たしていない現状に対する不満があると思います。予算こそ議員、会派の主張をぶつけ受け入れてもらえなければ、修正動議、組替え動議がだせるぐらいに取組んでいく姿勢が重要だと思いました。