7月の金曜サロンは、訪問ボランティアの会「キャンナス」代表菅原由美さんをお迎えして、看護・介護の現場の課題についてお話いただきました。
菅原さんは、看護師の経験を活かして、9年前に同じ看護士の経験をもつ人達に介護の現場に出てもらおうと訪問ボランテイアの会「キャンナス」を立ち上げました。全国にこのような看護師の資格や経験がありながら、なんらかの理由で退職した、いわゆる潜在ナースは100万人いると言われています。
その人材をそのままうもれさせてしまうのではなく、なんとか社会のために活かせないかと、ホームヘルパーの仕事についてもらうことを考えました。
まず、地域で説明会を行なうと沢山の人達が集まり、少しずつ訪問ボランティアの会が広がっていきました。仕事をやめた後でもしばらくしてまた何かしたい。と思った時、いきなり看護の現場にもどるより、訪問介護サービスやボランティアならハードルも低く、やってみたいと思う人が多いようです。
在宅での療養となると、家族の負担はおのずと大きくなります。しかし、ヘルパーが看護師の資格をもっていると、急に容態がかわったりした時にも経験をいかして、迅速に対応でき、安心できることから家族からも要望が高くなっています。いわば看護と介護の中間をつなぐパイプ役として、菅原さん達は活動しているのです。介護保険制度がスタートして来年は5年を迎えます。まだまだ訪問看護のサービスが不足している状況で、このような菅原さんの取り組みを「ぜひ、世田谷でも広げていけたら」と強く思いました。