「避難所に液体ミルクの備蓄を」
乳児をもつ親にとって、災害時の備えとしてミルクの確保は重大な問題です。災害時に安全なミルクが確実に供給されるのかという不安をもつ親から液体ミルクの製造・販売を求める声が高まっています。
液体ミルクは、紙パックやプラスチック容器に無菌状態で密封され、常温で半年~1年保管が可能です。清潔な水が不足したりお湯を沸かしたりできない被災時でも利用できるものですが、日本では製造・販売が認められていません。東日本大震災の時、フィンランド在住の日本女性たちが、計1万4000個を被災地に送り喜ばれたと報道されました。
東京都地域防災計画では、乳幼児の調整粉乳は、被災後、最初の3日間吐く市町村で、4日間から7日目までは、都が確保しており、現在都は、調整粉乳を1日当たり4.6万人 分、哺乳瓶を1万人分備蓄しています。
都は、「妊産婦・乳幼児を守る災害対策ガイドライン」を作成し、その中では、母子に必要な支援物資の特性、家庭や区市町村での必要量、調達方法等を具体的に示し、調整粉乳、哺乳瓶、お湯、消毒剤をセットで供給できる体制が重要であることを記載し、区市町村の防災関係者に周知しています。
しかし、妊産婦等にチラシを配布しているのは、世田谷区などわずかな自治体で、どこまで関係者が問題意識をもっているのか、疑問です。
東京都内で、1年間に生まれる赤ちゃんは、2013年のデーターで11万人(23区は8万人)非常時に母乳が止まってしまった母親は少なくなく、東日本大震災の避難所では、お湯がないのに、粉ミルクだけ配られた母親が途方にくれてしまったということが実際にありました。このようなことから、「災害時に液体ミルク」が提供できる態勢について、予算特別委員会で小松久子議員から要望しました。