「自治体議員立憲ネット沖縄研修」
安全保障関連法廃止等を訴える全国の地方議員でつくる「自治体議員立憲ネットワーク」の研修会が4月3日沖縄の恩納村で開かれ、議員114人と市民の方などを含み全部で125人が参加しました。
翁長知事が「戦う民意」と題して講演し、米軍普天間飛行場の移転先とされる名護市辺野古の新基地建設について「地方自治、民主主義の問題になる」と強調されました。沖縄は基地があるから発展したというなど、一部に広がる誤解がありますが、戦後は、生産手段が全て破壊され、GDPの50%が基地関連であったが、復帰時は15%となり、今はあれだけ基地があるのに5%までさがっているそうです。「米軍基地は、沖縄経済発展の阻害要因であり、本土の人達にそのことが、なかなか通じない悔しさを理解していただきたい。」また、「沖縄の民主主義はやわではない。米軍ともやり合い、県民自ら人権を築いてきた。沖縄の民主主義は、地方自治の原点」と、訴える知事に、会場の人々は感動し、拍手が鳴り止みませんでした。
講演の後半は、立教大学の浅井春夫教授。沖縄戦と孤児院についての調査活動を続けてきており、子どもの貧困について講演されました。浅井先生は、児童養護施設の指導員であった経験をもち、「戦争と孤児院は切っても切り離せない関係にある」と、著書(沖縄戦と孤児院)の中でも語っています。「沖縄には14の孤児院(児童養護施設)があったが、その記録はほとんど残っていない。米軍は、元気そうな子ども達の都合の良い写真ばかり残しているが、実際には、十分な栄養を与えず、死ねば近くの山に埋められていた。」沖縄の子ども達の貧困問題を考える時、この事実抜きには語ることは出来ない。都道府県別にみる「子どもの貧困率」でも、沖縄は37.5%でとても高い状況であり、深刻です。
政府は、「子どもの貧困対策」に本気で立ち向かおうとするなら、具体的な目標値や財政上の措置と責任主体を明確にする必要がると、浅井先生は指摘しています。
2日間にわたる研修、とても充実した内容であり、最後には、自治体議員立憲ネットワークから「辺野古移設に疑問を呈する意見書が、全国各地の議会で可決されている動きを更に広げ、安倍政権に対峙し、沖縄の米軍基地固定化を阻止するなどを盛り込んだ声明」が、採択されました。