在宅でこそ、その人らしく 医療と福祉の新しい連携

在宅医療シンポジウム(10/24)に参加して

 在宅医療シンポジウムが10月24日有楽町読売ホールで開かれました。
第一部の基調講演は、厚生労働省老健局長の中村氏から、これまでの在宅医療の歩みと現状について説明があった後、これからの介護保険や医療の課題について話されました。介護保険制度は、来年改正されますが、これまで制度の谷間にいた40歳〜64歳までの人は、限られた疾病しか介護保険の対象になっておらず、ガンの末期患者や難病を持つ人達の在宅ホスピスについては考えられてこなかった。そのような人達をも、地域で支え、障害や種別も関係なく介護保険を使って、その人らしく生き、どういうふうに人生の最期を迎えるのか、行政も考えていかなければならないと、話をまとめていました。
 続いての基調講演は、尾道市医師会会長片山先生から、尾道が全国に先駆けて医療と福祉の連携を行なっている、その事例について紹介がありました。
 尾道市では、10年前から介護に携わる専門職の研修を行なっており、ケアカンファレンスを最重要課題にしています。現在は急性期病院から退院する時から家族、医師、専門職など介護に関連する人達でケアカンファレンスを15分〜20分で行い、在宅に帰っても医療と福祉が連携できるようにしています。それにより、個人の尊厳を重視した自立支援ができるのです。
 また、尾道市が優れているのは、民生委員にも研修を行い、独居高齢者などの場合ケアカンファレンスに一緒に入ってもらっていることです。社医民連協・・・社協、医療、行政、市民が連携したしくみが出来上がっていますが、世田谷でも、2015年団塊の世代が高齢者になる時代までにつくりあげていかなければならないしくみです。