補充質疑にあたっては、会派の代表質問で取り上げた「自治基本条例の制定」について改めて尋ねました。
自治体の運営は、住民自治の原則に基づいて行われなけばなりません。そのため住民は選挙で議会と首長という代表機関を選んでその運営を委ねています。
しかし、それは4年間白紙委任したわけではないと思います。
常に住民の意見に耳を傾けていながら運営する必要があり、委ねて置けない場合は住民側からの直接請求制度、そして、予想していなかった重要事項については、改めて住民の意思を確認する住民投票制度が求められます。
つまり、間接民主主義の限界を直接民主主義的な制度で補完することが必要であり、そのため多くの自治体で住民参加条例、パブリックコメント条例、そして自治基本条例を策定しはじめています。
世田谷では、全国に先駆け街づくり条例を制定し、まちづくりにおける区民参加を取り入れ、評価されてきました。
しかし、条例制定から20数年が経ち、下北沢、二子玉川など大規模開発の中で地域住民との意見が折り合わないまま、事業計画だけが進んでいく状況が続いています。また、これまで地方分権を唱えて、総合支所を5地域に置き、住民の身近なところで区民サービスが行えるよう、土木課もそれぞれの総合支所に配置されていましたが、18年度から中央に集められ、その職員のためのプレハブが2億円もかけて建設されました。
今回の補充質疑では、新たな自治体運営として区民自治を位置づけるために、自治体の憲法と言われる「自治基本条例」の制定を求めましたが、基本計画に理念が示されているのでその必要はないという意味合いの答弁でした。
三鷹市では、この4月から自治基本条例が施行され、その条例の中にはオンブズマン制度、住民投票制度など住民自治を担保するしくみが盛り込まれています。「先進的な自治体世田谷」、そのようなイメージが誰にもあったと思いますが、それは過去のものになった気がします。