地域で学校を支えるには

学校選択制の波紋

先日、NHK「クローズアップ現在」で学校選択制の波紋について取り上げていました。
学校選択制は公立小中学校の学力を向上させ、活性化しようと始まった制度で6年が経過しています。すでに東京都内では19区7市が取組んでいます。
この制度により、特色ある学校づくりを進めている学校もありますが、一方で不人気な学校は統廃合で廃校に追い込まれている状況で、様々な問題が見えてきています。学校間で競争しても「人気校」と「不人気校」が生まれるだけで、不人気な学校では、生徒数が大幅に減少し、そのため学校の雰囲気や街の様子が暗くなるなど地域社会への影響も大きいようです。なかには、まちの治安の悪化や活力の低下が心配される中で地域住民の人たちがボランティアで学校周辺の警備を行い、学校を地域で支えていこうとする取組みを行っている所もあります。
世田谷では、「学校選択制」はとっていませんが、児童生徒の希望で学区域以外の他の学校を選択しているケースもあり、柔軟な対応をしています。
世田谷区議会でもたびたび議論されてきましたが、「地域コミュニティ形成を行っていく上で学校は大きな役割を果たしている」と考えると、単純によその自治体で取組んでいるから世田谷でも学校選択制を行なうという考えにはならないと思います。
区立の小学校・中学校を地域の中心と捉え、地域コミュニティ再生をはかっていくには、学校を地域に開くとともに、地域住民も積極的に学校を支える役割を担っていくことが必要ではないでしょうか。