「支え合う地域の創造」

NPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク大会

残暑がぶりかえしたような暑い東京で、第13回の大会が開かれました。
 会場になったのは、国立市にある一橋大学のキャンパスです。
 昨年の長崎大会は、佐世保市にあるハウステンボスで行われましたが、台風の直撃を受け、ホテルに缶詰にされたのを思いだします。
 今年も全国各地から在宅医療にかかわる医師、看護士など多職種の人達、そしてその報告を聞こうと行政、議員、市民が沢山集まりました。
 
 その中で昨年から制度に盛り込まれた「在宅療養支援診療所」について取り組んでいる医師からの報告が行われた分科会では、世田谷でおなじみの太田秀樹先生が司会をし、熱い議論が交わされていました。
「在宅療養診療所」とは、24時間365日対応できる往診と訪問看護ステーションやケアマネージャーとの連携を図りながら、最後は在宅での看取りが出来るよう平成18年の診療報酬改定で創設された制度です。
 「終りよければすべてよし」羽田澄子監督作品の映画の中でも取り上げられているように、8割以上の人が病院で亡くなる現状で、自宅で安らかな死を望んでも往診してくれる医師も少なく難しい状態です。
 現実には一般の開業医が24時間対応するには物理的にも無理があり、実際の対応に苦労している医師や診療所が多いようです。しかし、苦慮しながらも24時間365日在宅医療に取り組もうとしている医師や専門職の人達が少数でもいることに希望を感じます。

 2012年度には介護型療養病床の廃止、ますます介護や医療は在宅に移される中で、地域での支えあい、地域での看取りはどうあるのか。課題は多いです。
 地域で安心して生活し、老いる。そして死をむかえられるような地域に変えていく必要があると思います。この2日間様々な方からの報告を聞いてそう感じました。