当日は、この製作にかかわったNPO日本有機農業研究会の安田さんに来ていただいて、お話を伺うことも出来ました。
映画では、農薬、化学肥料、単一品種による大規模農業や補助金による安い農産物の輸出攻勢などが取材され、そうしたアメリカの農業の中に、遺伝子組み換え作物が生産されています。アメリカでは、飼料用のみで食用には認可されていない遺伝子組み換えとうもろこし「スターリング」が食品に混じり、これを食べた人が異常を訴え、アレルギーを疑われた人たちがでました。
そして、日本に輸入された飼料や食品からもこの「スターリング」が検出されています。
日本では、表示を求める市民運動が展開され、200万の署名提出や全国の地方議会から多くの意見書が提出され、大豆、とうもろこしの加工品の一部、じゃがいもの加工品に表示がされましたが、輸入の遺伝子組み換え混入の大豆やとうもろこしを原料にしている大量の飼料、醤油や油には表示がされていません。また、表示対象加工食品でも材料に占める割合が上位3位までのもので、かつ原材料に占める重量の割合が5%以上ものにしか表示義務はありません。
表示があれば消費者は、食品を選択できるのに、日本では不十分な状況で、アメリカでは、ほとんどの人が望んでいるのに、実施されていません。
東京都では、遺伝仕組み換え作物の栽培に関して、ガイドラインを策定。北海道、新潟、千葉県などでは、条例を制定しています。しかし、自給率40%をきっている日本は、輸入にたよっており、アメリカからの輸入はその上位がとうもろこし、大豆などであることを考えると、知らない間に私達は、この遺伝子組み換え食品を口にしているのでしょうか!
食料危機が叫ばれています。しかし、現在8億人もの人々が飢えているのは、食糧不足が原因ではありません。世界中の人達が食べることのできる食物はあるそうです。では、何故? 大企業が作物を倉庫にかかえこみ、値上がりを待っており、量のかたよりがあるのです。そして、種子や農薬会社の企業統合が進み、作物は大企業にコントロールされる時代になってしまったことです。
地域での持続可能な農業こそ、私達が選びたい食の未来です!!