「家族介護がいちばんよいのか」

NPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク大会から

京都で第14回目の大会「100年後の暮らしを考える」が開かれました。
NPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク大会は、1995年に東京からスタートして、在宅医療を推進できる環境の整備と診療所医療に対する信頼回復を目標に活動をすすめて来ています。
14日、15日の両日、京都にある同志社大学の構内でシンポジウムは開かれました。その中で一番印象に残ったのが、上野千鶴子さんの講演です。
タイトルは「家族介護がいちばんよいのか」・・・上野千鶴子さんは、最近「おひとりさまの老後」という本を出されていますが、ひとりであっても社会的サービスを受けて暮らせる老後が望ましいと語っていました。

来年介護保険制度は、見直しが行われます。2000年にスタートした時には、家族がいても、いなくても高齢者自身の自立や生活援助に対して、サービス計画が立てられていたのに、現在は財政的理由からか、家族がいると家事援助サービスもきられがちです。
また、上野さんの行った実態調査から、サービスの内容を選ぶのは、利用者本人よりもむしろ家族の都合によって選ばれているという例も多いようです。
高齢者世帯では、老老家族も増えてきました。また、4人に一人が男性の介護者です。退職して妻の介護に当たるケースや独身の息子が父親や母親の介護に携わるケースが増えています。家族は、いくら一生懸命介護しても所詮アマチユア、そこはプロに任せて、「家族は愛情、介護はプロに」というのが利用者にとってもベストではないかと・・・上野さんは主張しています。

介護疲れから虐待がはじまり、とてもつらい事件も起きている今日、家族と介護される人間が適当な距離をとりながら、最後の看取りを在宅で行うには、まだまだ、医療、介護との連携や体制整備を行っていかなければなりません。
来年の介護保険制度の改正は、どのような視点で行われるのか、点検していきたいと思います。