「今世界は食料危機?」

先週八王子のスーパーで売られていた冷凍インゲンから、3万倍の殺虫剤が検出され、食をめぐる事件がまた起きました。
袋には、1ミリぐらいの穴があり、どこで殺虫剤が混入されたのか調査中ですが、昨年から今年にかけて起きた中国産の冷凍餃子の事件も未解決のままです。

燃料費の値上がりで、食料品が高騰しています。開発途上国では、高騰する輸入食料から、より安価な地域の伝統的な在来食料への代替需要が増加し、今やその価格までが急騰を始め、市民の生活を苦しめています。エジプトでは、国が価格の安定を図っているパンを手にいれようと店先に市民が殺到する状況が先日NHKで放映されていました。

アメリカでは、遺伝子組み換え作物の作付けが進んでいます。遺伝子組み換え技術は、細菌や動植物に別の種の遺伝子を組み、これまでにない成分を作り出すことを可能にしました。しかし、その安全性は確認されていません。
2002年ブッシュ大統領は、巨額の補助金を出し、その補助金はもっとも幅広く生産される作物とうもろこし、小麦、綿花、大豆にあてられ、これらは遺伝子組み換え作物がつくられています。そして、アメリカ国内では、安価で手にはいることから、庶民が購入しています。
中国でも遺伝子組み換え作物の開発研究と促進政策に対して、国は資金を投じています。しかし、ヨーロッパでは、「GMOフリーゾーン」遺伝子組み換え作物がない地域が、欧州を中心に広がっており、家畜や魚、チーズ、その他の作物についても禁止しています。

アメリカでは、牛肉の加工の80%はわずか4社、種子会社も農家が使うほとんどの種子は4つの系列会社で仕切られ、ここ10年で同様の統合が小売分野でも起こっています。今後10年で世界中の食品小売をわずか6社が支配する。(食の未来と日本の現状の映画から)と言われています。
まさに、世界の食料危機は、一部の企業によって引き起こされたものではないでしょうか。
日本は、6割以上を輸入にたよっています。しかし、いくら表示のあり方などを変えても限界があり、食の安全を確保していくためには、持続可能な地域の農業を大切にしていくことが重要です。