また、年々ハイリスクな出産が増えている中で、NICU(新生児集中治療室)が満床のため救急搬送が困難になっている状況もあり、長期にわたるNICUの患者に対して在宅に帰り、在宅医療を中心に支援出来る体制をつくっていくことも都立墨東病院周辺をモデル地域として検討することになっています。
今回の分科会では、「小児在宅医療」に取り組んでいる様々な事例が発表されました。群馬県立小児医療センターでは、群馬県内の訪問看護ステーション104ヶ所を対象に調査、疾患を問わず小児での在宅訪問看護経験があったのは、わずか30ヶ所でした。小児の訪問看護を行えない理由としては、経験不足や小児に対する不安があげられています。この調査をもとに、今後地域での支援策を検討していくとのことです。
松山市では、訪問看護ステーション「ほのか」が、小児の訪問看護を行い、ひとりひとりの子どもにあったサービスを考えています。
「留守番看護」は、家族との信頼関係を結び、子どもの自立を促すためになかなかよい制度です。母親に寄り添い、家族に寄り添い、子どもの特性に合わせた支援体制をつくっている訪問看護ステーションの梶原さん、小児科病棟を経験したことがないことから、NICUから退院してくる新生児をケアする時は、N病院に通って、細かい情報を看護師から得るという努力もしているそうです。
小児在宅医療を進めていく上で、医師を確保していくことも必要ですが、今回の分科会の発表を聞いて、「訪問看護」をいかに充実させていくのかが、重要なカギだと感じました。都内でも、医療的ケアが必要な子どもの地域生活が支援出来るよう進めていきたいと思います。