八ッ場ダム建設に関する基本計画は1986年に決定され、完成は2000年に予定されました。しかし、2001年には、基本計画の変更(工事延長)
2003年基本計画(事業費の変更)、そして、2008年3度目の基本計画変更(工事延長)が都議会に出されました。未だにダム本体工事には至っていません。これは、この事業の困難さを物語っています。
過大な水需要に対し、独自水源である多摩の地下水を位置づけ、水源確保策のため他県に依存してダム建設を進めることを当初からの生活者ネットワークは反対してきました。首都圏の都市用水の需要は、最近10年近くほぼ横ばいが続いています。今後は、日本の総人口が2006年ピークをむかえ、首都圏の人口も頭打ちになり、その後は少し減っていく状況です。東京都民の負担金は、620億円、利水、治水のために1都5県の水がめとして、このダムが本当に必要なのでしょうか。
地域の人達は、この計画が持ち上がった1952年から、ほぼ半世紀にわたって翻弄されてきており、その苦しみは私達の想像に及ばないものだと思います。
「国政フォーラム」に参加した人達からも、「何故50年もの間この計画が進まなかったのか理解できない」という意見がありました。
また、「テレビで報道されていた内容が、住民が工事ストップに反対」という声しかでてなくて、「ほんとうにそうなのか」という質問もありました。
前原国土交通省大臣に対して、県知事や町長が前面に出て意見をいうのも不自然な感じです。大型の公共工事に頼った地域再建ではなく、自然やひとりひとりの生活を大切にした地域再建にむけ、国も都も動き出すことが重要ではないかと思います。