「まだまだ知られてない高次脳機能障害」

高次脳機能障害とは、脳卒中などの病気や交通事故などで脳の一部が傷をうけ、身体のまひや視聴覚の障害とは別に、思考、記憶、行為、言語などの脳機能の一部に障がいが起きた状態を言います。
高次脳機能障害の特徴は、外見から見てもわかりにくく、病気やけがの前のことは良く覚えているのに、新しい出来事を覚えられない(記憶障害)些細な事で腹を立てたり、涙もろくなったり感情のコントロールがきかなくなったり人柄が変わってしまう(感情と社会的行動の障害)などの症状があり、ひとりひとり症状が違います。障がいは、短時間ではわかりにくく、日常生活、社会活動(仕事、買い物など)の継続した時間の中で出現しやすくなっています。

先日、NPO法人VIVID(ヴィヴィ)が、長谷川幹先生(成城リハビリテーション)をお招きして勉強会を開きました。脳は、長期間にゆっくり変わることや回復にむけて、患者本人が主体的にかかわっていくことが大事であること。そして、医療はあくまでも後方支援であり、地域が皆で参加し、支援をしていていくことが重要だと、長谷川先生はお話していました。

NPO法人VIVID(新宿区)は、高次脳機能障害の方や家族を支援するための相談事業などを行っています。地域において、相談、訓練、医療、就労など総合的な支援ネットワークを確立することによって、高次脳機能障害をもつ方が、自立した生活を送れるようになるのではないでしょうか。
都のモデル事業も始っている世田谷で、ぜひ、地域の力で高次脳機能障害と家族の新しい生活の構築にむけて、支援のネットワークを広げていきたいと思います。