大都市における困窮者支援の現状と課題

ふるさとの会・支援付き住宅推進会議共催2011シンポジウム

毎年、10月10日に開かれるシンポジウム。会場は満席で、長時間にわたり議論がされました。2年前、群馬県の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で、死亡火災事故が発生し、入居者の大半は、都内から送り込まれた介護が必要で、身寄りもない、生活保護受給者だったことが問題になりました。
しかし、現状は、あまり変わっていないようです。「高齢・低所得・単身・要介護」という四重苦を抱えている人は、都市部を中心に、少なくとも数万から数十万いると言われています。このような人の受け皿として、国は東京都の要請に基づき、「軽費老人ホーム(ケアハウス)」や、食事や緊急時の対応など、支援のついた高齢者施設「都型軽費老人ホーム」を設置することを認めました。

今回のシンポジウムでは、実際に地域で支援にあたっているNPO釜ケ崎ホームレス支援機構(大阪)、NPO新宿ホームレス支援機構、NPO自立支援センターふるさとの会の方から、困難な事例など、活動報告がありました。
NPO自立センターふるさとの会の活動は、これまで台東区や墨田区など、山谷地域を中心に広げられてきており、私も代表理事佐久間さんの案内で視察しました。そこでは、住まいを提供するだけでなく、地域の支え合いのための雇用も生みだし、ひとりひとりの自立支援につなげています。

3月11日に発生した東日本大地震で被災した方々は、仮設住宅や公営住宅などで生活していますが、住み慣れない場所で孤立することも考えられることから、要支援者に対する「サポートセンター」を各地に提案することを、この会から提案しています。
生活再建をサポートする、「ひと」を支える「支援付きの生活復興」が大切だという、この提案に賛成です。