世界自然遺産 小笠原諸島

南島・扇池(おうぎいけ)
南島・扇池(おうぎいけ)
東京から1000km南にある小笠原諸島。今年、世界自然遺産に認定され、その記念式典が、10月14日 父島で行われました。

小笠原諸島は、父島列島、母島列島、さらに250kmほど南に硫黄列島があり、最南端には沖ノ鳥島などを含めた島々まで、東京都小笠原村です。
緯度は沖縄とほぼ同じですが、湿度は少なく、気候は亜熱帯海洋性気候に属しているため、海が近いのに乾燥しており、さわやかな感じです。

世界遺産は、文化遺産、自然遺産、複合遺産の3つに分けられます。自然遺産は、将来に引き継いでいくべき世界共通のかけがいのない財産であり、小笠原諸島は、生態系(他の地域にはない、特徴的な生き物の進化や、生き物同士のつながりが見られる)の豊かさが高く評価され、2011年6月、屋久島、白神山地、知床に次ぐ、日本で4番目の世界自然遺産に登録されました。

船で渡った南島には、美しい景観やヒロベソカタマイマイの貝殻などが見られます。小笠原の生き物は、環境によって、そこに適した形や色へと変化し、多系統に分かれています(適応分散)。小笠原のカタツムリのうち、カタマイマイというグループは、木の上で暮らすものは淡い色、土の上で暮らすものは暗い色の殻をもつなど、適応分散によって色々な種類に進化をしてきました。この点も、世界自然遺産の登録基準に該当するところです。

小笠原の自然を守るために、南島などに入る時は、ガイドと同行することになっています。決められたルールを守り、次世代の子どもたちに、美しい環境を手渡していきたいです。