子どもの貧困克服のための自治体施策

子どもの権利条例東京市民フォーラムのつどい

先週、「第11回子どもの権利条例東京市民フォーラムのつどい」が開かれました。今回は、「子どもの貧困克服のための自治体施策」をテーマに、世田谷区や八王子市からの先進的な取り組みが報告されました。

世田谷では、ひとり親家庭の調査などを経て、ひとり親家庭への支援策が検討されており、激変する環境での子どもへの学習支援策なども進められています。
八王子市では、生活保護受給世帯の子どもの健全育成事業として、集団での学習支援を展開しています。さらに今年度から、ケースワーカーとともに、中学2、3年生の子どもたちの個別訪問を行い、自立のための相談支援に取り組もうとしています。

「子どもの貧困」問題は、日本の長引く景気低迷と貧困層の拡大、生活保護自給世帯、要支援家庭の増加などが、子どもの生活面だけではなく、学習面などにも影響を及ぼし、切実な問題になっています。
都では、支援が必要な子どもたちに対して、学習塾などの費用や受験費用について貸付を行うことにより、一定所得以下の世帯の子ども達を支援しています。
また、生活保護世帯に対し、塾代助成について、都独自の事業を行っています。

近年、子どもの貧困や児童虐待、ひきこもり、不登校など、問題を抱えている子どもが増加しているにもかかわらず、子どもの生活を支える視点に立った支援策が、自治体では十分に取り組まれていません。教育、福祉、医療などの個別分野での支援の拡大を行うとともに、総合的な支援策が必要です。