人生の仕上げをどう生きるのか?
今年で18回目を迎える「NPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク」が、高知市で開催されました。坂本竜馬で知られている高知のまち。この連休は観光客も多く、日曜日の朝には、地元の野菜や花が露天で売られる、日曜市場が開催されています。
高知県は、全国の中でも高齢化率が3番目に高く、病院も多い状況で、在宅医療の取り組みが遅れがちな地域と思われてきましたが、初日には、尾崎高知県知事、岡崎高知市長から、「『日本一の健康長寿県』づくりを目指し、在宅医療の推進や在宅介護サービスの確保など、医療、介護、福祉の連携で取り組んでいる」との挨拶がありました。
在宅医療について、このシンポジウムでは、様々な議論がされてきましたが、日本の社会も超高齢社会を迎えるにあたって、「終末期医療」「看取り」が今後の課題となっています。しかし、一般の市民にとっては重い話題であり、私たちが避けてきたことではないでしょうか。
今回はじめて「終活」という言葉を聞きました。「終活」とは、「よりよい人生の終えん期を迎えるために行う諸活動」・・・つまり、「看取り」を家族が医療、介護の現場の人たちとどのように行っていくのか、一人ひとりが考え、心の準備をすること。
人生の仕上げをどう生きるのか、どう支えるのか。それは、一人ひとりの生き方でもあります。
「そもそも生活の場での看取りは、家族をはじめとした市民側の課題で、医療者は看取りのお手伝いをするに過ぎません。終末医療は、医療、介護専門職の手から、市民の手に移りつつあるということを伝えたいと考えます。」
太田秀樹先生 (全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長)の言葉です。これまで病院で亡くなることが多かった状況の中で、在宅での看取りも増えてきました。住み慣れた地域で、最後までその人の生活を支援していくためにも、医療や介護の連携、地域包括支援システムの構築が求められています。
東京都の医療計画の中に、「在宅医療」が位置付けられました。今後、地元の自治体とどのように連携し、進めていくのか、しっかりと議論していきます。