障がい者の就労支援にむけて ~ 第3回都議会定例会の質問から~
東京都は、障がい者雇用について、民間企業への就労や都庁でのチャレンジ雇用などを進めていますが、厳しい経済状況の中で、民間企業全体では、法定雇用率1.8%を未だ達成していません。都内企業のうち、法定雇用率を達成している企業の割合は3割程度にとどまっています。来年4月に法定雇用率が引き上げられることから、障がい者が地域で、ごく普通に暮らす共生社会に向けた取り組みを進めていく必要があります。
東京生活者ネットワークでは、この夏、滋賀県の社会的事業所を視察しました。社会的事業所は、障害のある人もない人も、対等で一緒に働く形態の職場になっており、行政が運営経費の一部を補助するほかに、職員の名刺などの印刷物や公園の清掃等、仕事の提供を行っています。
障がい者の労働権という観点から、最低賃金を保障し、賃金も月10万~15万円を得ることができ、障がい者の就労促進を行い、社会的、経済的自立支援を進めています。これは、一般的就労と福祉的就労の中間的な場と言えます。
現在、東京における福祉的就労で、障がい者が受け取る工賃は低く、経済的に自立できるような状況にはなっていません。今後とも、区市町村と連携しながら、施設の工賃アップを支援していくことを求めました。
東京都においても、障がい者の雇用の場の確保に
向けては、都が自ら取り組む必要があります。現在、都庁の清掃業務の一部をビルメンテナンス協会が行っており、知的障がい者が働いています。
今年6月、ハート購入法が制定され、来年4月施行されます。この法律は、物品等の調達の推進等に関して、障害就労施設などが供給する物品等に対する需要の増進を図ることを目的としています。自治体では、今後、調達方針を策定することになり、都が関係局と連携し、障がい者の自立支援に取り組むことを要望しました。