まちの景観を守るために ~都政フォーラム報告~

10月14日、まちづくりプランナーの林泰義さんを講師にお迎えして、これからのまちづくりについて話し合う都政フォーラムを開催しました。今回の会場になった、玉川田園調布のカフェ「 えんがわinn」周辺は、生垣・みどりのフェンスに囲まれ、みどりと花の柔らかな表情が魅力的なところです。

 玉川田園調布では、「地区計画」という地域独自のルールを作るために、1997年に、住民が玉川田園調布住民協議会を発足、その提案をもとに、2000年に「地区計画」と「まちづくり協定」が施行されました。
この計画の施行後も、このルールを守ってもらうために、住民協議会は存続することになり、玉川田園調布1、2丁目地区に建物を新築する場合は、事前に計画の説明が必要になります。この地区計画を施行したことで、この地域の街並みや環境が、長い年月が経過しても、維持していくことができるのだと思います。

 都政フォーラムでは、東京都市大学の2人の学生が、玉川まちづくりハウス(住民協議会事務局)にインターンとして入り、地域活動をしている10人の方々のインタビュー調査について紹介してくれました。
20年の歴史があるこの玉川まちづくりハウスでは、様々な活動をしている人たちが、コミュニティの中核を担っているのではないでしょうか。

 

世田谷では、空き家も増えてきました。その中には、昭和という時代を代表する歴史的、文化的な価値の高い住宅も含まれており、このような住宅をどのようにして保存、継承していくのかが、大きな課題になっています。
国や都も補助金を出し、空き家の活用を地域の住まいや活動の拠点として転換していく政策を打ち出していますが、なかなか具体的に実現しません。その背景には、相続税の問題などがあります。

 玉川まちづくりハウスで、長年活動してきている
林泰義さんは、「住民が知恵を出し、力を合わせて、貴重な住宅や緑を保存していけるまちづくりを考えていこう。」と、参加したメンバーに呼びかけていました。それに応えられるような活動を、今後は組み立てていきます。