災害に強い東京のまちを
東京都の地域防災計画の修正がまとまり、都議会に設置された防災対策特別委員会では、各会派の意見開陳が行われました。
私たち生活者ネットワークは、東京都地域防災計画の修正に向けて、地域の市民の方々からいただいた意見をもとに、様々な角度から点検し、質疑を行ってきました。防災対策については、被災者の視点に立って推進することは重要であり、とりわけ、女性や高齢者、子ども等の要援護者に対しては、きめ細かい配慮が必要であることなど、会派の意見として主張してきました。その結果、避難所運営や要援護者対策など、細部にわたって計画に盛り込むことができました。
具体的には、女性や子どもの安全に配慮し、パトロールの実施や照明の配置方法により犯罪を防ぐこと、女性や子どもなど、様々な避難者のニーズに対応した物資の確保に留意すること。これまでひとりも女性がいなかった東京都の防災会議に、複数の女性委員の参加や避難所運営に女性のリーダーを配置することなど、男女のニーズの違い、男女双方の視点に配慮した対策が一歩進みました。
帰宅困難者対策においては、実施計画が示され、一斉帰宅の抑制、一時滞在施設の確保、安否確認と情報提供のための体制整備など計画に盛り込まれました。
昨年の震災時には、首都圏で多くの方が帰宅困難になり、家族間で連絡が取れない状況が続きました。一時滞在施設の情報整備や、災害時に強い通信手段の確保は重要であり、今後、都と区市町村、電気通信者と協力し、整備を進めていく必要があります。
また、昨年の震災時に、子どもが自宅に帰宅できない、帰宅した子どもが保護者の帰りを待っていたケースが発生しており、都教育委員会は、児童、生徒の保護者への引き渡しについて、鉄道の運行状況や都内外の被災状況等の把握に努め、児童、生徒を確実に保護者に引き渡すまで、学校において保護することを基本としました。今後は、「学校危機管理マニュアル」の改訂を行い、小中学校も都立高校と同じく、3日分の食料備蓄が必要になります。
これから東京都地域防災計画を実行していくためには、区市町村との連携は不可決です。財政的な支援や情報提供など、十分に連携して、実行性のある防災対策を構築していくことを求めました。