子どもの視点に立った被災地の復興

先日、東日本大震災子ども支援ネットワークの主催で、「子どもたちと一緒に考える被災地の復興支援の今後」として、被災地の高校生たちと意見交換する会が、東洋大学で開かれました。

南三陸町では、役所や学校が津波にのまれ、甚大な被害が出ました。戸倉中学校はやむなく、隣の登米市で廃校を間借りして授業が再開されました。東京からも、NPO法人キッズドアが学習支援のために被災地に出かけ、受験に向けた子どもたちの学習支援などを行なってきています。

今回は、ここの中学校を卒業した高校生から、被災地の状況やまちの復興についての提言を発表しました。「これまでは都会の生活に憧れていたけれど、被害を受けて、ここでの生活がどんなに素晴らしかったか気がついた。」「これからは、まちの復興にも関わっていきたい。」一人ひとりが、自分の考えを述べ、その力強さやたくましさに感動しました。

 

また、宮古市と釜石市の間に位置する岩手県下閉郡山田町では、東洋大学の森田明美先生を中心に、学生たちが被災地に「山田町ゾンタハウス」をつくり、子どもたちのための学習支援を行なってきています。
ここでは、中学生以上の子どもたちが自主的に集い、勉強し、軽食を取ることができる居場所を提供し、子どもたちの安らぎの場にもなっています。学年の違う子どもたちの交流によって、子ども同志がお互いに助け合うことができ、学校や家庭とも違う子どもの居場所が、子どもたちの生活を支えていると思いました。

 

会場では、子どもたちの報告の後に、参加者から様々な意見が出されました。企業が被災地の子どもたちを招待し、今日のような会を行うことや、東京の子どもたちが被災地に出向いて交流を深めることなど、活発な意見交換がなされました。

 まもなく、震災から2年を迎える被災地。今、子どもたちは何を必要としているのか。大人はどのような支援をしていくべきなのか。今後も、復興計画の中に子どもの意見が反映されるよう、東京都から国へ要望することを求めていきます。