「八ッ場ダム工事のその後」

 ~視察報告その1~

 4月の始め、生活者ネットワーク都議団で、八ッ場ダム工事の現場を視察に出かけました。4月だというのに、まだ肌寒く、川原湯温泉駅前の梅の花が満開でした。視察1日目は、明日の会事務局の渡辺さんにご案内いただき旧の川原湯温泉街、代替地の川原湯地区(右岸)、川原畑地区(左岸)など見て回りました。

温泉街は、ほとんどの建物が取り壊され、廃墟のようで、この姿を見ると昔の温泉街を知っている人にとっては、とても悲しいものがあります。数件だけ、まだ、現状のままになっていますが、ほとんどが代替地に移転あるいは、新天地に移動しています。ダム建設のために、移転を迫られた人に対しては、保障金が国から支払られましたが、代替地の土地の値段は、周辺の地価よりも高く、50世帯のうち30世帯ぐらいしか残っていないそうです。

 ダムサイトの工事は、今年中には始まられると聞きました。川原湯地区と川原畑を結ぶ1号橋は、八ッ場大橋と地域の人達から名づけられました。現在は、すでに完成済みの仮排水トンネルののみ口の直下に29メートルの小ダムを作り、さらに約40メートル下流にある仮排水トンネルの吐き口の直上流で締め切り工事を行っています。

 吾妻線は、吾妻渓谷沿いを走るのどかなローカル線ですが、ダム建設のために山の中腹を走る路線に変わってしまいます。ちょうど新駅が出来上がっていましたが、ほとんどがトンネルの中を走ることになり、四季おりおりの風情や旅情を味わうことができるのもこの夏まででしょうか?