「京都の空き家活用を視察して」

東京生活者ネットワークでは、この8月に京都市の空き家対策と明石市の障害者施策について視察しました。

東京生活者ネットのメンバーと視察

東京生活者ネットのメンバーと視察

京都市の空き家は11万戸を超え、空き屋率は、14.0%で全国平均を上まわっています。そこで、2年前に「京都市空き家等の活用・適正管理等に関する条例」を制定し、総合的な空き家対策を進めています。

条例制定後は、空き家条例に関するリーフレットや空き家に関する知識や情報をわかりやすく示した冊子を作成し配布するとともに、地域や高齢者の集まり等に専門家を派遣し、空き家化の予防をテーマとした説明会や相談会を開催しています。

また、空き家を地域のまちづくり資源として積極的にいかすために、地域の自治組織等が主体となって行う「地域連携型空き家流通促進事業」に取り組みました。1団体につき年間最大50万円、助成期間は4年間、空き家を活用するための改修工事などに補助しています。

 

視察の当日は、地下鉄の東山駅近くにある粟田自治連合会・空き家対策実行委員会を訪ね、赤崎さんの案内で、改修された空き家を見て回りました。赤崎さんは、世田谷に長年住んでいたのに、京都市の白川の清掃ボランティアで訪れたのをきっかけに、京都に魅了され移り住まれたそうです。

ここは、粟田学区(東山区)、京都市では学校区ごとに地域コミュニティがあり、地域住民と連携し、空き家を京町屋のゲストハウス、カフェやレストランに、土蔵を旅行会社のオフィスに再生したりして取り組んでおり、この3年間で62戸の空き家が減少しました。

土蔵を旅行会社の事務所に再生

土蔵を旅行会社の事務所に再生

ゲストハウスは、一軒家に宿泊し、京都の仮住まいのような体験が出来ることから、外国人や観光客に人気が高いです。今後は、京都市の「京都創生」空き家を活用した京都への移住促進の取組と連携し「観光する京都から住む京都」を目指しています。このような京都市の支援制度を参考に東京でも増え続ける、地域の空き家を積極的に活用出来るよう、取り組んでいく必要があると思います。