「手話言語法の制定をめざして」

~明石市の先駆的な障害者施策について~

 

8月の中旬、視察した明石市は、昨年の4月に「手話言語・障害者コミュニケーション条例」を策定し、手話を言語と明確に認めた上で、手話とともに、要約筆記や点字、音訳等など多様なコミュニケーション手段の利用の促進も規定し、障がいの特性に応じた利用しやすい環境づくりに取り組んでいます。

泉市長と記念写真

泉市長と記念写真

子ども達にも手話を覚えてもらおうと、平成27年から3年間のうちに、市内の小学校(28校)で手話体験教室の実施を目指しています。また、手話が出来ない聴覚障害者への説明用に音声を認識し、文字変換してタブレットに送るシステムを障害福祉課の窓口に設置しました。手話通訳専門職員の採用、テレビ電話システムの導入、点字対応の充実など、障害者コミュニケーション支援の具体的な取組みを進めています。

 

 

さらに、今年の3月には、「障害者配慮条例」を成立させ、合理的配慮の提供を支援する助成制度を創設し、民間事業者などに積極的に働きかけています。平成28年度の障害者差別解消にむけた取組みの予算は、1208万円。飲食店の点字メニュー、スロープの設置など、具体的な支援策が取り組まれています。

コミュニケーションボード

コミュニケーションボード

 

この6月には、全国手話言語市区長会が設立され、東京で記念フォーラムが開かれました。全国250市区長が入会し、当日は4当事者を含め400人を越える来場者が参加し、61人の首長がそれぞれの自治体での取り組みなどを手話を交えながら熱く語られました。この事務局長を務める明石泉市長、2020年パラリンピックまでに、手話を言語と位置づける手話教育の充実や手話通訳の配置を求める「手話言語法」の制定への取組を全国の自治体と連携して進めて行きたいと話していました。

東京都にも、ぜひ、働きかけていきたいと思います。