羽田・都心新ルート、住民への十分な説明がされていない!
東京の都心上空を侵入する経路新ルートを来年3月末から実施することを国は決定してしまいした。しかし、騒音や落下物などへの住民の不安に対しては、十分な説明がされていません。そこで、東京生活者ネットワークは、元JAL機長杉江弘さんを講師にお招きして、学習会を開催しました。
お話を伺ってわかったことは、国土交通省は、新ルートからの降下角度を3度から3・5度に引き上げると表明したことです。このことによってどのような事が起きるかと言えば、しりもち事故が起きる可能性があるということです。
パイロットは、3.0度のときよりも滑走路上空で、これまでより高い高度からフレアーという着陸操作を行う必要があり、この場合急降下状態での機首上げ角度との差が通常よりも大きくなる。そのためフレアー操作のタイミングによっては航空機の尾部が滑走路に接触し、時に外板が破壊される事故につながりかねない。世界一着陸が難しいといわれる香港の啓徳空港は3.1度だったそうです。
新ルートに3.5度の進入角度を新たに導入すると、これまで新宿付近で約915メートル、渋谷・恵比寿・麻布付近で約610メートル、大井町付近で約350メートルと東京タワーより、低高度で侵入する案であったものが、それぞれ1037メートル、701メートル、335メートルと高度がやや高くなるが、騒音がどれだけ軽減されるのか、国交省からの数値は発表されていません。
来年2020大会が開催される東京にあわせて、羽田空港の増便計画だけが優先されています。2020年3月末からは、「羽田空港は世界で一番着陸が難しい空港」といわれるのではないでしょうか!! 大きな事故がおこってからでは遅いです。住民、乗客の安全を最優先に考え、再検討すべきです。