「青少年の自立支援にむけて」

東京都は、若者社会参加応援ネット「コンパス」を平成20年度からはじめており、ひきこもり等の若者の社会参加を応援するため、都がNPO等との協働により実施しています。
平成22年度は、新宿、三鷹市、立川市、福生市にあるNPO法人が行い、新宿、福生市では、訪問相談も行っています。そこで、早くから若者の自立支援に取り組んできたNPO「青少年自立援助センター」福生市を視察しました。
青少年自立援助センターは、1999年にNPO法人として設立、前進の「タメ塾」から引き続き、30年以上の長さにわたって、不登校・ひきこもりの青少年の自立支援活動を行ってきています。
施設には、70部屋あり24時間サポートの寮生活を送る中で、多様な就労や自立支援を進めています。ここに集まる若者は、10代から30代までが対象ですが、日本の社会では、子どもの教育責任はもっぱら親に負わされているため、真に問題をかかえた若者の存在把握が遅れがちです。そこで、「支援のため他人や地域力を活用すること」は、必要なことと、工藤理事長は話していました。

「ひきこもり」は、日本語独特の言葉・・・そうイギリスの子ども家庭省をこの春に視察した時に言われました。「ひきこもる人間が悪い」と考えるのではなく、ひきこもる状態になるには、それなりの要因があるはず。
イギリスでは、ブレア政権の時に、大規模な財政を投じて、若者のための一体化した支援戦略として、「コネクションズ・サービス」を立ち上げ、2004年にはイギリスに47カ所設置、対象者は13歳から19歳の若者で、具体的なサービスは、様々な専門性をもつパーソナルアドバイザーのネットワークによって行われています。2008年には、国から各自治体へと事業を移管し、現在は152自治体で実施。学校から離れた者に対しては、地域のコネクションズに引き継いで、特にリスクのある若者には、集中して継続支援が行われます。

都のコンパス事業は、平成22年度が最終ですが、今後も地域で若者支援が行えるよう、支援プログラムの活用や人材育成など、都としての取組みを進めていくことが求めれれていると思います。