原発のウソ

「原発のウソ」 小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)の最近だされた著書です。
その一番はじめのページに、こう書かれてあります。
「原発は差別の象徴だ」 原子力のメリットは電気を起こすこと。しかし、「たかが電気」でしかありません。そんなものより、人間の命や子どもたちの未来の方が、ずっと大事です。メリットよりも、リスクの方がずっと大きいのです。しかも、私たちは、原子力以外にエネルギーを得る選択肢をたくさんもっています・・・

福島原発事故によって、安全神話は崩れましたが、南相馬市を視察した時に、「原発は安全なので、3キロ圏外において、避難計画は必要ないと国に言われてきたので、策定できなかった。」と市長が発言していたことに、驚かされました。
また、「CO2を排出しない」「環境にやさしい」と電力会社が宣伝してきたことも、「原子力は発電時に」「二酸化炭素を出さない」という言い方に変わって来ています。実は、多くのCO2を出しており、原子炉建設時はもちろん、ウランを核分裂させ、電気を発生させる運転時さえも、さらには、老朽化を迎え、高レベルに汚染された原子炉を解体する廃炉時や、使用済み核燃料や、死の灰の未来にわたる管理に至るまで、火力発電などのエネルギー供給システムを必要とするのです。

先週の土曜日、小出裕章さんをお招きして、第2回 核・原子力のない未来をめざす市民集会「3.11原発震災以降を私たちはどう生きるか」が開かれました。
会場には、およそ800名の人達が集い、福島県からも「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」代表の方が駆けつけ、熱気にあふれていました。
小出さんの講演後、多くの人から質問が出されていましたが、小出さんは、「原子力に未来はない」と断言します。日本が原子力発電を始めてから45年しかたっていません。日本の家庭で、電気を使うようになって125年。それなのに、低レベル放射性廃棄物は、300年管理していかなければなりません。

はるか未来の子孫に、すべての負債を押し付けることで原子力発電が成り立っていることを、私たちは忘れてはならない!と、強く思いました。