災害時の透析患者への支援について ~災害対策特別委員会の質疑から~

先日、公表されました「東京都地域防災計画の修正素案」は、東日本大震災から得た教訓や被害想定の見直し、近年の社会経済情勢の変化及び、都民・都議会などの提言を可能な限り反映し策定されました。
防災対策については、被災者の視点に立って対策を推進することが重要であり、とりわけ、女性や高齢者、障がい者、子ども等に対してはきめ細かい配慮が必要です。
東日本大震災において、女性、高齢者、障がい者等の視点に踏まえた対応が、必ずしも十分でなかったことから、避難所生活においても、様々な問題が浮き彫りにされました。都議会生活者ネットワークでは、このことをいち早く取り上げ、今回の修正素案に反映することができました。

 災害時における障がい者支援については、必要な情報が避難所等で伝わらないことから、障がい特性に合わせた配慮が必要です。視覚障がい者には、音声による支援、聴覚障がい者には、文字や手話の活用など、被災者の特性に応じた情報提供手段で対応していくことが求められています。

 また、「特別な医療を必要とする患者への支援」として、災害時における透析医療の確保も重要な課題です。現在、都には、約2万人を超える透析患者がいます。都は、災害時の緊急連絡先や、透析に必要な検査データー等を記載できる「透析患者用防災の手引」を作成して、患者に配布し、かかりつけ医以外の医療機関でも、安心して透析医療がうけられるようにしています。一方、東日本大震災の際には、福島県いわき市から、約400人の人工透析患者を受け入れました。
都は、これまで以上に、区市町村や関係機関と連携を図り、他県を含めた広域的な災害時透析医療体制を確保していけるよう取り組むことを、強く要望しました。