「下水道局の再生可能エネルギーや自然エネルギーの活用」~葛西水再生センターを視察~
東京都の下水道事業は、都で排出される温室効果ガスの約4割を排出するなど、地球温暖化防止に対する大きな責任があります。このため下水道局では、2004年「アースプラン2004」を策定し、2009年までに、’90年比で6%以上削減する目標は達成してきました。今後も一層の努力が求められることから、「アースプラン2010」を策定し、2020年比で25%削減していくことを目指しています。
そこで、太陽光発電や小水力を設置している葛西水再生センターを視察しました。江戸川区にある葛西水再生センターは、荒川の河口に位置し、首都高速湾岸線を挟んで南北の施設からなっています。また、水処理施設の上部空間には、江戸川区の臨海球技場が造られており、サッカーや野球に利用する他に災害時には避難場所となっています。
処理水の放流きょは、高潮に備えて水面より数メートル高い位置に設置されて
おり、この放流落差(5メートル)を利用して、水力発電を行っています。
年間の発電量は、一般家庭20数世帯にあたり、CO2を排出しない発電、クリーンな電力を発電しています。
太陽光発電は、センター内の南側、大きなソーラーパネルが設置されており、それは見事でした。ここには、太陽光パネルを固定しているタイプと太陽の角度に合わせて15分ごとにパネルの位置が動いていく「一軸追尾」タイプがあります。この太陽光パネルの角度が変化することによって、効率的に照らされることで発電量が増加していくとのこと。視察した時間のお昼時には、太陽に向かって水平になっていましたが、発電能力の合計は490W、年間発電量は一般家庭の約160世帯分になります。
下水道局の水再生センターで、太陽光発電を設置したのは、この葛西水再生センターが初めてですが、来年には、森ヶ崎水再生センターにも設置される予定です。
下水道の事業は、ポンプや送風機など水処理に伴う動力等の電力使用、脱水機や濃縮機など汚泥処理に伴う動力等の電力使用で、全体の44%を占めており未利用・再生可能エネルギーなどを活用し、クリーンなエネルギーを施設の電力に回しています。
今後も地球温暖化防止に向けて、都が積極的に取り組んでいくことを求めていきます。