「問題の多い後期高齢者医療制度」

4月から始まった「後期高齢者医療制度」。名前が悪いということで、「長寿医療制度」に呼びかえるという話もありましたが、内容がかわるわけではありません。この制度は75歳以上の人の独立した公的医療制度で、国民健康保険や健康保険組合から移行した130万人の医療費を税金、他の医療費保健からの支援金と本人達が払う保険料で支えていくしくみにいなっています。
保険料はこの15日には、年金から天引きされましたが、その業務を担当する地方自治体は、煩雑な業務に混乱しています。

医師会でも反発が起こっています。それは、新たにスタートする「高齢者担当医」の考え方、高齢者は高血圧や糖尿病など複数の慢性病をかかえている人も多く、いくつかの病院にかかっている場合もあります。
しかし、この4月の診療報酬改定で、担当医が患者の同意を得て診療計画を策定した場合、報酬を支払うものの、他の病院や診療所では症状急変以外は、簡単な処置については医療費が請求できないことになっています。
この事によって、一人の医師が患者の囲い込みを行うのではないか、何回検査しても同じ報酬なら、利益のために必要な検査を減らす医師がでてくるのではないか。など様々な問題点が指摘されています。

地方議会からもこの制度の廃止を求める意見書が多数だされました。都議会でも検討され生活者ネットワークもこの意見書に対して賛成しましたが、大きな会派に否決されました。地方議会では、保守系の議員からもこの制度の廃止、見直しを求める声が出ています。年金については、いまだに記録が見つからない人達がいるにもかかわらず、天引きされることだけは、国会で強行採決され決定されるやり方に不満の声は強いです。この問題の大きさを国はしっかりとうけとめるべきです。