「イギリスの精神保健」「子ども・若者政策」「オランダの個別教育」「環境政策」
を学んできました。今後報告書をまとめるとともに、東京や地域の自治体政策に活かしていきたいと考えています。
私達がロンドン市を訪れた時は、5月に総選挙をひかえ、毎日のように労働党、保守党、自由民主党について報道されていました。特に、保守党、自由民主党のリーダー、キャメロン氏、クレッグ氏は、人気もあり、国民の関心の高さが伺えます。しかし、選挙前であるのに、街の中にポスターは一枚も見かけず、街頭で演説する議員の姿さえも見かけませんでした。各議員は、地域の家庭を戸別訪問し支持を訴えます。その姿が毎日テレビに写されており、日本の選挙のやり方とは違いました。
今回のイギリス視察の目的のひとつは、「イギリスの精神保健の取り組み」について学ぶことです。イギリスは、サッチャー政権の時に、医療制度が荒廃していました。予算削減により、医療への十分な投資が出来ず、医師の給料は下がり、医療事故は多発するようになり、結局医師、看護師も海外に人材が流出するようになりました。ブレア政権下では、この状況を改善するため、医療改革を優先し、「ガン、心臓疾患、精神疾患」を三大疾患に位置付けたのです。
精神医療については、これまで施設や病院で入院し、薬剤による治療が主でしたが、家族やユーザーの求めているサービスの開発に積極的に投資をし、早期介入サービス、危機管理対応問題解決サービス、家族サービスなど、初期投入に1400億円かけ、具体化していきました。
その事によって、医療に頼っていた従来のやり方から、精神看護師、心理療法師、医師の専門のチームで関わるやり方へと転換していっています。
リシンク(精神障害者の家族会)は、8000人の会員がいますが、政府から82億円の活動支援をもらい、精神保健の分野で大きな役割を果たしています。
視察した当日は、理事長のジエンキンス氏にお会いし、これまでの活動の内容や課題について、お話を伺う事が出来ました。
ここでは、家族の支援はもちろんのこと、会員に対してオンラインで情報提供や精神保健のサービス提供も行っています。また、大きな組織だけに、雇用も生みだすことができ、1400名を雇用しているとのことでした。
まだまだ遅れている日本の精神保健、イギリスの先駆的な取組を東京都でも参考にし、取り入れていくことはたくさんあると感じました。